BUSINESS

製品案内

柿渋

柿渋は我が国では古くから紙、布、漁網の染料や漆器の下塗り等に用いられており、これは、柿タンニンが容易に不溶性の強靱な被膜を形勢する性質を利用したものである。

柿渋の科学

柿タンニンの科学的性質としては、柿渋の強烈な渋味などはそれに含まれるタンニンに基づくが、この柿タンニンの科学的研究は古く、小松氏や田崎氏ら(1923~30年)に始まる。
特に小松氏は柿渋から沈殿凝固せしめたものをシブオール(shibuol)と名づけ、そのアルカリ分解で没食子酸(gallic acid)とフロログルシン(phloroglucin)を得たが、それ以上柿タンニンの構造を明らかにしていない。(その後この型のタンニンはプロアントシアニジンと呼ばれるグループに属し科学構造も明らかになっている。)
また柿タンニンはゼラチン、アルカロイド、ピリジン、塩酸フォルマリン試薬、重金属塩(酢酸塩など)で沈殿し、鉄イオンで藍色を呈し、アルカリで紫褐色を経て分解し、酸性で加熱すれば赤色を呈すると共に褐色のフロバフェンの沈殿を生ずる等、典型的な縮合型タンニンの諸反応を示す。

柿タンニンの除蛋白能

柿渋の清酒清澄化作用はタンニンが蛋白質と結合して不溶性の沈殿を形成する性質に基づいており、この反応は皮なめし、酵素の精製、タンニン定量法等にも利用されている。
しかし、タンニンと蛋白質との反応条件については皮なめしの分野で実用的な面から多少の検討がなされているのみで、学問的な研究は全く行われていない。

柿渋の製法

柿渋は我が国では、岐阜、京都、奈良、広島、福岡、などで生産されているが、その製法には2通りあり、地方によってそれぞれ異なっている。一つは渋柿を容器に入れて加水し、腐熟させた上澄液を用いるもので、タンニン含量は加水量によって異なり通常ボーメ2~4度の柿渋が得られる。いま1つは柿を直接圧搾して搾汁が主体であるので、ボーメ5~6度の濃厚な柿渋が得られる。
使用される柿渋はタンニン含有の多い小型果が良く、天王、小渋、鶴の子、青曽柿などが用いられる。8月下旬から10月上旬かけて、採集した健全な柿を速やかに破砕、圧搾して約30%の1番渋を得る。残渣には少量の水を加えて圧搾することにより2番、3番渋を得れば歩留まりは約45%となる。
これらを合わせて大桶にいれて放置すると、自然に発酵が始まり徐々に糖分が分解減少して熟成する。1~2年間冷暗所に貯蔵し、おりが沈降した上澄を玉渋と呼んで市販される。

柿渋の性状

こうして作られた柿渋の品質は現状ではボーメ度数で濃度を表す他は、色、匂い、味等で経験的に判断されているにすぎない。
しかし、清酒の品質向上の目的で渋柿を清澄剤として使用する以上は、除蛋白能の優れた、より純良な柿渋が望まれ、そのためには化学的な品質規定と製造法の改良、管理が必要となる。

色と匂い

搾汁後半年後の柿渋は、なお混濁し淡黄褐色であるが、熟成が進むに連れて濃い赤褐色を呈してくれる。
また柿渋特有の臭気は発酵によって形成されるが、発酵にどのような微生物が関係しているかは殆ど不明である。

粘度とゼリー化

例えば、ボーメ6度の柿渋の粘度は23℃で13.5cpであるが、濃縮に連れて急激に粘性を増し、2倍濃縮では1,025cpにも達する。さらに濃縮放置すると全体がゼリー状に固まって不溶性になり、時には濃縮しない柿渋がゼリー化して不溶性になる場合もある。
このような現象は他のタンニンに見られない柿タンニン独自の特徴で、実用上の大きな障害になっているが、その原因はまだ明らかでない。

土蔵改修

土蔵改修工事をいたします。

けやき古材ブロック

築100年以上の古屋を解体した時に構造材として利用されたいた柱や梁を板状にして再利用して作った天然のブロック。
長年かけて自然乾燥しているので伸縮がほとんど起きない。
幅や長さは、50mm~500mmのランダム。厚みは、15mm~30mm程度。下地は構造用合板を利用、ボンド等で直下貼り。仕上げは、柿渋を塗料として利用することが多い。